私は20歳台まで医学=現代西洋医学、オンリーと思っていました。しかし、それでは解決しないことが徐々に出てきました。そして今まで知らなかった分野を知ることになりました。私の自己紹介的なものになりますが書いてゆきます。
① 鍼灸との出会い
平成元年、21歳の時、酷い偏頭痛を発症しました。半年間で5か所の病院を転々とし、検査は異常なしでも私が痛みを訴えるので病院では薬を処方してくれていました。
しかし、きっちりと薬を飲んでも偏頭痛は一向に改善しませんでした。
5か所目の大きな病院の内科では痛みを我慢し2時間以上待って診察室に呼ばれました。
短く今までの経緯を話したところ、診察と言うよりも一方的に、「あなたの症状は“精神科領域”に入るので“他の科”に紹介状を書きます。」と言われ、その状況に非常に憤慨し何も受け取らずにその場を後にしました。
ところが、この日が私の運命を変える日になったのです。
私は病院を出たその足でたまたま見つけた「鍼灸院」というところに吸い込まれるように入っていきました。
私はそれまで東洋医学や鍼灸などは全く縁がありませんでした。
しかし、その鍼灸院ではこれまで受けてきた病院での診療とは全く異なり約15分間で私の症状を話し先生の質問に答え、次は30分ほど鍼の施術を受けたところ、1時間位経った頃には全身に血が通ったような感覚と眠くなってきてそれまでの頭痛は殆ど無くなっていました。私の半年間のあの苦しみは何だったのでしょうか??
鍼灸院の先生の話しにあった「経絡?気の流れ?」などに非常に興味が湧きました。
それからは体調を崩すと病院の薬にプラスして東洋医学や病院以外のその他の療術も取り入れ体調管理をするようになりました。
平成7年には青森から仙台に転勤することになり念願の鍼灸専門学校に入学します。
そして平成10年、鍼灸師の国家資格を取得してから病院で鍼灸の仕事をさせて頂く事になりました。平成22年までの12年間、多い時には一日に30人を超える患者さんが来て下さるほどびっしり臨床に明け暮れ、スポーツ外来を含む整形外科領域を始め、産婦人科、耳鼻科、その他さまざまな診療科の依頼を頂き延べで2万人以上の施術をさせて頂きました。その中にはやはり私の様に病院を転々としてきて鍼灸に辿りつき、私と同じような驚きを体験された方も多くいらっしゃいました。
この貴重な12年間の経験から私の中では、鍼灸は外科的処置の要らない整形外科的症状、痛み一般。現代西洋医学的な血液検査、レントゲン等、心電図、その他の検査では特に異常が無くそれでも本人が体調不良である、最近俗に言う「自律神経の乱れと言われた方」また「受診しても薬の出ないグレーゾーンの方」「それよりも軽い未病の方」に適している療法だと分類されました。このように書くとたいして適応がないと思われるかもしれませんが下記に示すようにWHO(世界保険機構)では1996年に鍼灸治療の適応症リストを発表しその後も修整が行われています。
実は私も鍼灸学校に入るまでは鍼灸の適応とはこの様に多いとは思いませんでした。
東洋医学、鍼灸は奥が深いです!私の鍼灸の探究はこれからも尽きません(‘◇’)ゞ